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とことん寄り添う在宅医

2017-11-11

どーも。糟谷です。

 

火曜日は多摩NST研究会へ参加してきました。メインの講演は出雲のすぎうら医院 在宅診療部 部長の中山真美先生。

 

在宅医療拡大の壁として24時間対応と他医療機関での診療状況や処方薬などの把握が難しいと言われています。

 

島根県ではこの問題を解決するため、在宅医6医で医療ICTを使って診療を行っています。このICTシステムは県が主導で導入を進め、医療・介護だけでなく行政との連携も行なっているようで、島根県の医療ICTの活用はかなり進んでいると感じました。

 

僕がすごく印象的だったのが、中山先生自身が仰っていた”とことん寄り添う”という言葉です。

 

医療保険サービスを使っている神経難病やがん末期などの利用者は、定期的な担当者間での会議が開催されにくく、今後の経過や予後などを家族や本人が知らないまま医療を受けているケースが沢山あります。島根県では在宅医が中心となり本人や家族を含めた担当者間での会議を行っていて、コミュニケーション機器の導入や環境調整の指示も医師が中心となって行なっているとお聴きし、これには驚きでした。さらに、介護施設への受け入れを直接医師から依頼したり、市民教育活動も積極的に行なっているという事で、本当に素晴らしい取り組みです。府中市では在宅医がここまで介入するケースは数少ないです。

 

自分の住んでいる近くにがんの方がいると、近所の人は近づけなくなる。今まではご近所付き合いを密にしていたが、病気の事が分かるとどうして良いか分からなくなって距離を取ってしまう。その方が亡くなった後に、何か私に出来る事はないか?と関係が再開する。この助け合いを療養中からやっていくんだと中山先生は強く仰っていました。

 

中山先生は関係する全ての人の所へ足を運び、医師として、人として話をされています。
AIにより人間の仕事の半分がなくなる時代が来ると言われていて、医療介護分野も例外ではありません。
いくらICTがあったとしても、顔の見える関係を作っても、AIが発展しても、人間にしか出来ない事って沢山あると思います。中山先生のように自ら会いに言って、医師として、人として、心の繋がりを作るような会話は人だから出来る事だと思います。
島根県はICTを中心に連携を作っていますが、これに加えて”人としての繋がり”が連携が上手くいっている大きな要素になっていると感じました。

誰のための医療介護福祉なのか。改めてここを考えさせられた2時間でした。

 

府中でもこのような連携の形をやらないとですね。
また今日から頑張ります。

 

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